
今回は12月10日に開催されるECBの定例理事会でユーロ高けん制発言や追加対策を講じる可能性が示唆されており、その内容に注目が集まっております。
過去(2020年)のECBの定例理事会の議事要旨やラガルド総裁の記者会見の発言を振り返り、その前後でユーロ/ドルがどのような値動きになっていたかを分析いたします。
目次
■2020年のECBの開催日程
■開催日、議事要旨、ラガルド総裁の記者会見の発言振り返り
■開催日前後のユーロ/ドルの値動き
■ユーロ/ドルの値動きまとめ
1月23日
3月12日
4月30日
6月4日
7月16日
9月10日
10月29日
12月10日
ECBは1月23日の定例理事会で主要政策金利を据え置いたが、
世界的な貿易摩擦の緩和などを受け、インフレ圧力が強まり、
成長を巡るリスクが後退していると主張した。
主要政策金利を据え置くとともに、インフレ目標や金融政策を巡る「戦略的見直し」を開始した。
ユーロ/ドルの値動き(日足)

ユーロドル日足チャート20200123
1月23日 急落
1月24日 下落
超低金利が銀行にもたらすリスクについて議論されていたことが分かった。
経済成長の急減速に対する懸念が高まる中、ECBは3月の理事会で利上げ時期を
2020年まで先延ばしし、銀行向けの超長期の低利融資を再び実施すると発表した。
政策金利を据え置く一方、量的緩和政策を年末まで1200億ユーロ拡大すると発表した。新型コロナウイルス流行による域内経済への悪影響に対処する。
ユーロ/ドルの値動き(日足)

ユーロドル日足チャート20200312
3月12日 急落
3月13日 急落
新型コロナウイルス感染拡大による経済への影響緩和に向け、
ECBが一段の対応策を導入する「完全な用意」を整えていることが分かった。
6月4日の次回理事会にも追加策が決定される可能性がある。
主要政策金利と中銀預金金利を据え置いた。資産購入プログラムの規模は維持したものの、市中銀行への長期資金供給策については金利をマイナス1%まで引き下げる方針を示した。
ユーロ/ドルの値動き(日足)

ユーロドル日足チャート20200430
4月30日 急騰
5月1日 上昇
ECB債券購入、恩恵は副作用上回る 独憲法裁判断に異論=6月議事要旨
独憲法裁の判断に対する間接的な反論として、ECBの債券買い入れにより借り入れコストが低水準に抑えられているため、現時点では債券買い入れ実施の必要性を示す数多くの証拠が存在していると政策担当者は指摘。
「資産買い入れの恩恵と副作用を巡ってはさまざまな見方があるが、物価安定の追求において、これまでのところ恩恵は副作用を明らかに上回っているとの広範な合意があった」とした。
政策金利を予想通り据え置く一方、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)への緊急対策として打ち出した債券購入プログラムを拡充した。
パンデミックにより、戦後最大のリセッション(景気後退)に陥りかねない域内経済を支援する。
ユーロ/ドルの値動き

ユーロドル日足チャート20200604
6月4日 急騰
6月5日 下落
新型コロナウイルス禍への緊急対策として打ち出した債券購入プログラムの柔軟性を巡り討議され、一部当局者が買い入れ枠の拡大に慎重姿勢であることが分かった。
主要な政策変更を見送り、新型コロナウイルス禍への緊急対策として打ち出した
債券購入プログラムの買い取り枠を維持したほか、政策金利も据え置いた。
ユーロ/ドルの値動き

ユーロドル日足チャート20200716
7月16日 多少下落
7月17日 多少上昇
新型コロナウイルス感染拡大に起因する経済的な損害への対応に「自由裁量」を維持する必要があるとの見解が示されたほか、
追加刺激策導入の用意が改めて強調されていたことが分かった。
主要な政策変更を見送った。景気回復が勢いを失い、ユーロ高がインフレ期待を弱めていることから、刺激策を今後拡大するとみられる。
ユーロ/ドルの値動き

ユーロドル日足チャート20200910
9月10日 上昇も戻る
9月11日 多少上昇
ECB、コロナ第2波に危機感 追加刺激策を確約=10月議事要旨
新型コロナウイルス感染の第2波が到来する中、油断している余裕はないとの見方で一致し、景気の下支えに向け追加刺激策の確約を決定したことが分かった。
主要な政策変更を見送り、12月に追加対策を講じる可能性を示唆した。
ユーロ/ドルの値動き

ユーロドル日足チャート20201029
10月29日 急落
10月30日 多少下落

ECB開催日前後の値動きまとめ202001-10
アノマリーを探るとすれば
ということになります。
また値動きは限定的なものになることが多く、スインガーは
大枠のチャートの流れに沿ってトレードを検討していくことが肝要かと思います。
引き続きよろしくお願いいたします。
少しでも誰かのお役に立てていれば幸いです。
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